新聞記者として

第64話【夫の記事】「物差し」の測り方

(※ブログの合間に夫の記事を掲載) 『新聞社に入ってサツ回りになった途端、僕はスクープするために生まれてきましたみたいな顔をして、悲壮感まで漂わせちゃって、なんかちょっと不思議すぎない?』  立ち読みしていた小説のセリ...
首里に暮らして

第63話 ”まかせて良かった社長”のCMに身を任せて

距離おきたい社長との接点  「まかせて良かった〇〇社長に~、〇〇コーポレーション」  朝出勤時に、松崎しげる風の歌声で流れるいつものCM  会社の社長が、世界遺産の城を駆け抜けたり、海に飛び込んだり、何パターンも...
死を超えるプロセス

第62話 通勤モノレールにさよなら

沖縄にない電車の魅力  2020年4月 新しい赴任先は那覇の市街地。憧れのモノレール通勤になった。   ほんの数ヶ月前、我が家近くに延長したモノレール路線の駅ができた。駅まで徒歩7分。 しかも時間通りにやってく...
ちょいホッコリ話

第61話 エンジェルナンバーを知ってますか

ゾロ目の数字のメッセージ 「お会計は4,444円です」   夫が逝って半年後、抜け殻気分ではあったが、ママ友とはしっかり飲みに出かけていたある居酒屋での支払い。 「すごい、エンジェルナンバーだね」と一緒にいた魔女...
ガンと家族の6年

第60話 夫婦の旅をなぞる〜伊勢へ〜

最後の夫婦旅行  また今年も伊勢にきた。去年もきた。伊勢は夫との最後の旅となった地。  3年前の2月、仕事関係で滋賀と京都に行かないといけない所用があった。が、予算がつかなかったので、私的旅行が...
首里に暮らして

第59話 首里の居酒屋①〜リンゴの恩返し〜

いつものカフェで  モノレール首里駅を降りて30秒、ほどよく無口でキャップの似合うオーナーさんがいる居酒屋。  そこに10年以上足しげく通っている。とはいえ、店の中身は変わった。居酒屋の前はスタバスタイルのお洒落なカフ...
ちょいホッコリ話

第58話 天国から見下ろす破天荒な父へ

√ ある日父は亡くなった  1990年1月のある日、外出していた母から電話があった。 「よく聞きなさい。お父さんが亡くなったから、すぐ家を掃除しなさい。お葬式の準備をするから」  「えっ、葬式? お父さんっ...
死を超えるプロセス

第57話 悲しみもメトロノームのように

クールな友人の旦那さまの告別式  1月7日、友人の旦那さまの命日にLINEを送った。「覚えていてくれたありがとう」の返信  2020年1月、彼女の夫は亡くなった。  私の夫が亡くなる半年前...
ガンと家族の6年

第56話 実家の正月イベントは家族喧嘩

  母の手料理  私の母は料理が上手い。80歳を越した今でも料理を振る舞うのが好きで、いくばくかの財力があれば、学生相手の食堂を開業したかったという。  主夫業を担当し料理に凝っていた夫は、料理の本片手に研究して...
看護師のアナタへ

第56話 ホスピスのとろける優しさ

ゆりかごから墓場までの病院  年に一度の人間ドック。仕事が忙しくて、日程を延ばしまくって、とうとう12月28日になった。  健診の合間の待合室で、仲のいい看護師が声をかけてきてくれた。  仲がいいというよ...