第61話 エンジェルナンバーを知ってますか

ちょいホッコリ話

 

ゾロ目の数字のメッセージ 

「お会計は4,444円です」 

 夫が逝って半年後、抜け殻気分ではあったが、ママ友とはしっかり飲みに出かけていたある居酒屋での支払い。 

「すごい、エンジェルナンバーだね」と一緒にいた魔女のママ友が叫んだ。 

魔女のママ友は第45話です

「エンジェルナンバー? ってなに?」と怪訝そうな私に、ゾロ目の番号は見えない世界からのメッセージだという。 

魔女ママが言うのだから、と「エンジェルナンバー、4444」をググってみた。 

「心配は一切不要。天使たちがあなたを見守っている‥‥」と温かい言葉のオンパレード。 

 「ほら、愛する旦那さまが、いつもそばにいるよって伝えている」と彼女はニコッと笑った。 

 狐につままれたような不思議な気分でその日は帰った 

 

 それから1ヶ月後、いつものようにカラカラ乾いた空虚な気分で、スーパーにて買い物。その時のレシートが4,444円。 

 思わず、レジの店員さんにレ「4が4つ、すごくないですか」と叫んだ。 

 “興奮したおば様”の仕草にとまどった店員さんだったが、私の迫力に引きづられてうなづいた。 

 レシートを握りしめ、車に乗り込んだ。「もしかしてエンジェルナンバーってあるかも」。 

数字のエールを受けて

字を意識しはじめると、不思議なくらい、ぞろ目の数字に出くわすようになった。 

 疲れて寝床に入るとすると、時計が11:11、22:22、夜中目を覚ますと1:11、3:33。朝やっとこさ起きると5:55 

 息子を送って喧嘩になり落ち込んだ時、前の車のナンバープレートが8888、9999。 

 

 至るところでゾロ目にあう。その度に「うわ、エンジェルナンバー」と叫ぶ。

 ツインズ息子は「偶然でしょ」と冷ややかな目で私をながめる。 

 この先どうしたらいいのだろう、とわけもなく落ち込む時は、ゾロ目数字が夫からの励ましエールに感じるようになった。 

 

 考えてみると、いつも仏壇に向かって文句を言っていた 

 線香を立てても、煙の方向とかでメッセージ伝えてくれないし、蝶々になって姿表す訳でもないし、夢枕にすら立たない。 

「死んでも薄情じゃない!?」とぼやいていた。 

 が、視力も悪いから煙がどんなふうに上るか判断つかないし、お酒で爆睡だから夢みても覚えてないだろうし、私が蝶々とか気づくわけない。 

 考えた挙句に、夫は、ケチな私ならお金関係なら気づく、と思ってレシートで教えたに違いない 

 

 それはさておき、時計や車の番号、レシートを意識と、であう、出会う、エンジェルナンバー。 

 偶然かもしれない、まやかしかもしれない、けれど、ゾロ目数字の夫の応励ましに「元気もらいましたぁ。ありがとう」と手を合わせる日々。 

 落ち込んだときほど嬉しくなる。 

 にしても、最近、車のナンバープレート、ゾロ目数字が多いのは気のせいだろうか。

 みな、数字の運気を信じているのか、エンジェルナンバーを信じているのか、 

 どうでもいいが、元気回復まで、エンジェルナンバーの励まし効果を頼っていいですか。

  もう少しだけでいいです、ソロ目数字から聞こえる声に甘えさせてください。