第37話 離婚したい人は離婚したらいいのです

ちょいホッコリ話

夫婦愛を美化するつもりはない

 このブログは愛にあふれているという

 あふれる愛 ……

 人によって“愛”は重い。“愛の押し売り”が重いのだ。

 私は「おしグッズ」と「愛」の押し売りだけはやらない、と決めている

 だって何度も離婚を考えた

 ちぐはぐな生活リズム、お互いゆずらない頑固さで何度も喧嘩。怒って別居もした。家族で大声上げてとっくみあいもした。冷静な時は話し合った。

 いつのまにか20年たっていた

 いつのまにか夫ががんになった

 いつのまにか愛情が再生されていた

 それだけのこと。 日本の何万組ある夫婦のたった一つの形である

結婚を続けるという「押し売り」

 私の尊敬する大好きな元上司は、シングルマザーだった。行政マンとして必要な資質を、大事にすべき人間性を、私にたたきこんでくれた、その人は、子どもが2歳の時に離婚した

 何十年もたってから、その上司は同僚に言われたそうだ

夫婦でいると山あり谷ありで、様々なことが経験できる。なのに、君は人生の濃密さを味うこと、放棄したね」と

「ホントにそうかもしれない、ね」と遠慮がちに笑って話してくれた

 山あり谷あり? 

 人生の濃密さ? 

 

 余計なお世話だ

 

 結婚して谷ばかりのこともある。

 努力しても上手くいかないことはある。

 修復できない間柄もある。取り戻せない関係も当然ある。

 人生の濃密さを味わう前に、人として壊れることもある

 離婚は、壊れる前に、自分を守る選択でもある。

 

 

福沢諭吉ふう「離婚のすすめ」

 若かりし頃、結婚を迷っている人に対して「まず結婚してみたらいいよ。嫌いになれば離婚したらいいさぁ」と勧めた

 私もそう思った。嫌いになったら離婚すればいい、と結婚した

 

 いざ「離婚したい」となった時、ハードルは想像以上に高い

 すでにできあがった親戚関係、子どもの親権、子どもを含めた交友関係、離婚手続きプロセス、離婚後の社会関係、生活環境

 社会の見える壁からみえない壁まで、次々と立ちはだかる

 いくつもの壁を乗り越え、晴れて離婚した人に、「おめでとう」と言いたいくらいだ

 

 沖縄県は日本で一番離婚率が高いが、悪い指標としてあげられることが多い

 悪いことなのか!?

 このままだと人生がダメになると決心し、シングルで生きる大変さを選んだ人に対し、意思の強い人が多い県と言って欲しい

 離婚をしないよう強調するより、シングルで子育てして十分な生活ができるよう、社会保障をどうしたらいいか、考えるほうがよっぽど意味がある

悩めるあなたへ応援歌

 離婚するも結婚するも、それぞれの夫婦が決めたらいい。

 一つの選択、一つの道だけではない。それぞれの夫婦が、自分たちの最善の選択を考え、真摯に自分と向き合って夫婦の形を決めるそれでいい

 パートナーとなるもならないも、それぞれ。形式的“夫婦”ではなく、人間対人間の愛情関係を築けばいい

  その時、その状況でどうしたらいいのか、どうすべきか、精一杯考え、対処し、その時点で最善と思える方法を選択すればいいと思う

 

 同じように、離婚したくても出来ない人だって、たくさんいる。

 これでいいのか悩み、ずっと耐えながら、自分の人生を、家族の人生を案じているその人に言いたい

「大丈夫、あせらないで。あなたが、最善の選択を積み重ねたら、きっと道がひらける。あなたのペースで大丈夫」と

 

 ちなみに、明治生まれの私の祖母(父方)は3回結婚している

 魚を頭にのせて行商し経済的に自立していた祖母。時代を超えて自分の生きる道をみつけた祖母の血は、私に脈々と受け継がれていることを誇りに思う