第68話 ガンになり結局保険屋さんに救われた

ちょいホッコリ話

我が家のライフプランナー 

 

 今から一年前、我が家のライフプランナーが、営業トップの役職であるエグゼグティブになった。

 

 えっ、ライフプランナー? 

 それって生命保険の営業マンでしょ? 

 入っている保険を解約させて自分とこに入れる勧誘活動のプロでしょ?  

 

 イメージはそうかもしれないが、私の解釈は、ライフプランナーとは家族のライフスタイル合わせて保険設計をして一生お付き合いする仕事人。 

 こう説明すると、スーツできめた男性が、こじゃれたスーツケースに書類を持ち歩き、どこか計算高そうなイメージ。 

 少し悪意を付け足すと、人の命を食いものにしているから営業スマイルの奥に冷たさすら感じるイメージ

 我が家のライフプランナーは、イメージとは全く逆。 

 オフィスのスーツより居酒屋の割烹着が似合う、少しぽっちゃりめ。計算高いというより、計算できずに人にだまされそうな風貌さえする。 

 一見、森のくまさんか、川のかばさん。 

 だからといって「ライフプランナートップの役職になった」と聞いて、驚いたわけではない。 

「やっぱりな」と思った。「この人なら間違いなくトップになる」と納得した。 

保険に救われた 

 私の父は52歳で亡くなったが、生命保険に入っていなかった。厳密にいうと4つの保険に入っていたが、亡くなる数ヶ月前に解約していた。 

 亡くなってから保険解約したことを知り、母は、お金がない現実に呆然とした。 

 それ以来保険にも保険屋にも良いイメージはなかった。

が、最低限の保証は必要なので結婚した時、収入に見合う保険を選ぼうと調べまくって、ある保険会社に目をつけた。 

 ちょうどバブルがはじけ、海外の保険業界が日本に進出した時期で、日本の業界は整理縮小の真っ只中。少し毛色の変わった会社だった。 

 

 保険営業のイメージは、きれいどころのお姉さんが職場に来て勧誘し、契約したら、それで終わりというイメージがまだ強い頃。 

 かかりつけ医のように、一生通してお付き合いするがをキャッチフレーズのライフプランナーという名称にも惹かれた。 

 それから20年のお付き合い

 夫は就職したての20代前半に、別の会社の(アヒル印の)がん保険に加入していた。

 営業の強引な勧誘で加入したので、一度、解約しようとした。家系にがんで亡くなった人はいないし、家計の支出を減らしたいと考えたからだ。 

 

 が、ライフプランナーの彼が「絶対やめないほうがいい」とアドバイスしたので、ひとまず続けた。 

 結果、夫のがん治療が始まると、そのガン保険に救われた。 審査も手続きもスピーディーで楽だった。ただそこに暖かさはなかった

 そう、問題はお金だけではない。将来の不安や悲しみは常にあった。

 

 ライフプランナーの彼は、そこを見越して言葉を選ぶ。だから、話しかけられたら落ち着き、電話越しに優しい笑顔が届く。

 言葉が心に届くのだ(お金も届くが)。

ライフプランナーのブログ 

 

 ライフプランナーのトップになり、彼はブログを始め「1年続ける」と宣言した。

 途中、会社から内容に注意が入り挫折しかけたので、ブログ終了だと思った。

 が、内容の方向をかえ、ブログを継続。なんと、来週で1年を迎える。 

 

 奇をてらうことなく、素直な目線で感じたことを綴る。

 素直すぎて吹き出すこともあるし、感動してホカホカ気分にもなる。示唆に富む日もある。

 計算しない文章は、トップセールスマンらしくないが、彼らしい。 

 

 さて、さて、1年の目標を達成した彼は、目標を1000回に更新した。

 

 

 逆風を推進力にかえ、状況をとらえてパワーアップできる彼の天性に、私は勇気をもらっている。

 

彼のブログは了承してくれたら紹介します