首里に暮らして

首里に暮らして

第63話 ”まかせて良かった社長”のCMに身を任せて

距離おきたい社長との接点  「まかせて良かった〇〇社長に~、〇〇コーポレーション」  朝出勤時に、松崎しげる風の歌声で流れるいつものCM  会社の社長が、世界遺産の城を駆け抜けたり、海に飛び込んだり、何パターンも...
首里に暮らして

第59話 首里の居酒屋①〜リンゴの恩返し〜

いつものカフェで  モノレール首里駅を降りて30秒、ほどよく無口でキャップの似合うオーナーさんがいる居酒屋。  そこに10年以上足しげく通っている。とはいえ、店の中身は変わった。居酒屋の前はスタバスタイルのお洒落なカフ...
首里に暮らして

第49話 首里城が燃えた日

首里城が燃えている  「米軍機でも落ちたのかな」2019年10月31日の午前4時ごろ、西側の空の一部が朱色に染まっていた。 アパートのベランダから景色を見るのが好きだった夫は、よく眠れなかったのか、明け方の空をながめながら、...
首里に暮らして

第48話 世界で数個しかないイス

こうゆうさんのイス  我が家には世界で数個しかない万能な椅子がある。  丈夫な木で作られた約30㎝四方×高さ20cmの小さいけれど、安定感がある「こうゆうさんのいす」    我が家の洗濯機は容量10㎏の縦形で、身長...
首里に暮らして

第45話 私には魔女の友達がいます

偶然か予知能力なのか  ママ友から緊急の電話が入った。義母(夫の母)が後頭部を怪我して治療しているから病院に迎えにきて欲しいという用件だった  「義母が怪我? ママ友が義母と一緒? ママ友が義母と病院? なんで...
首里に暮らして

第20話 “首里たつのこ”が家族の根っこ

保育園中心の地域に暮らす  彼が亡くなり、通夜、告別式、初七日、四十九日…と法事が続き、その間、家に切れ目なく人が出入りした  誰が来てもいいように、ビールと泡盛は常備していたので、近所の親しい人は一杯飲みながら思い出話をしに...