第39話 8月はウツになる予定がはいってます

死を超えるプロセス

ウツになるはずがコロナ陽性に

 8月になったので、友人や同僚に告知した

 

 え~、私の8月のスケジュールは、うつの予定で埋まっております。

 8月といえば、夫がホスピスへ入るまでの激動の2週間2年前の出来事とはいえ、1日1日を思いだしてしまうのです。そして、後悔で押しつぶされそうになる月でもあります。

 飲みに行くのが好きな私でありますが、誘われる前に今の時点でお断りしておきますので、誘わないで下さい

 ウツに入るという強い意志を示したにも関わらず、意思をくじこうとする輩も何名かいたが、そこは一部はねのけた(一部は受け入れた)

 事前告知をして、8月に夏季休暇を入れ、ひとりメランコリックになる環境は整えた。

 さて、3回忌の準備しながら、今回こそ、遺品整理しようと思った

…遺品整理…のはずが…なんと…野球部息子と私はコロナ陽性になってしまった

主がいなくなった家具たちよ

 8月2週目、沖縄は旧盆。ウンケー(先祖のお迎え)やウークイ(送り)という大事な行事が詰まった週だったのに、旧盆どころか、ずっと横になっていた

 ウンケーの日の夜中、横になりながら、リビングにドシンと構えた椅子を眺めていた。

 

 夫は逝く3か月前、昼間は椅子に座って、ウトウト昼寝をすることが多かった。ある日、うたたねして椅子から転げ落ちた。

 バランス感覚がとれないことと、体をささえることができなくなっていた。すぐさま、ひじ掛け付き椅子を買いに行くことにした。

 一日の大半を過ごす椅子は本人に快適でベストなものでなければいけない。少し無理して外出し、4か所の家具店を1日かけてゆっくり回った。久しぶりの買い物だった。

 7千円から10万円までの多種多様な椅子、素材や座り心地が全て違う一つ一つの椅子の感触を確認して、最終的に選んだものが、この椅子である。

 ホスピスに移る直前まで、この椅子で語り、眠り、一日の大半を過ごした。

ゆったりユウウツを満喫中

 椅子だけじゃない。彼が動くスペースは椅子が中心だから、周囲に必要なもの、快適に過ごせるグッズを置いた

 薬や温熱器具、彼が使いたい時にすぐ手にすることができ、しまえる可動式テーブルを探して、必死で組み立てた。

 お茶や温かいものがすぐに飲めるよう温熱ポットも買い添えた

 

 主がいなくなった家具たちは、新しい家では、居心地いいリビングにおいてある

 

 椅子に座るたび、ポットに手をかけるたびに、夫の温かいぬくもりを思い出す

 コロナはまだ完治していないけれど、椅子に座り、ポットからお茶を飲みながら、ブログを書いて、ゆっくり過ごしているのが、今は一番心が落ちつく

 8月15日、終戦記念日。私は、ウツのまっただなか