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新聞記者として

第24話 1年後に届いた先輩のメッセージ

1年前のメッセージ  2021年9月、夫が入社した時から慕っていた先輩からメールが届いた。  夫が入社一年目に先輩たちともらった『局長賞』の写メ付きだった      受信メールをさかのぼると、その先輩は、夫が亡くな...
ガンと家族の6年

第23話【残り65日】最後の家族ドライブは金武町

金武町までの家族旅行  息子が中学生になり、家族で出かけるのがめっきり少なくなっていた。  体力が落ちていく夫をみながら「週末は少しでも時間をみつけて、できるだけお父さんと一緒に外出しよう」と提案した その日は金武町にあるタコライス...
残り2カ月+α

第22話【残り17日】ガン終末期は「紙が石より重い」

駐車場で転んだあの日  その日、いつものように駐車場で夫を待っていた。卵が大好き我が家は、発酵飼料で育てた鶏の卵を食卓にあげて10年以上なる。 安価で健康にいい卵を買うため、2週間に1回、その養鶏場へ行くのがルーティーンのドライブと...
残り2カ月+α

第21話【残り4日】ホスピスで口ずさんだのは大学時代の唄

大学の拠点は”私の店”  「♪いつも一緒にいたかった、となりで笑ってたかった。季節はまた変わるのに心だけ立ち止まったまま♪」  ホスピスに移って2日目。 意識がもうろうとし、ぐったりしている夫の手を握りながら、口ずさんだのは...
首里に暮らして

第20話 “首里たつのこ”が家族の根っこ

保育園中心の地域に暮らす  彼が亡くなり、通夜、告別式、初七日、四十九日…と法事が続き、その間、家に切れ目なく人が出入りした  誰が来てもいいように、ビールと泡盛は常備していたので、近所の親しい人は一杯飲みながら思い出話をしに...
残り2カ月+α

第18話【残り36日】友情はフェイクではなかった

バカにしていた友情論  「友情とかほざくのって自己満足だよ、一人ヤッテル、自慰行為だよなぁ」 夫は、大学時代から、お下品ジョークとブラックユーモアで、(多分)友人から好かれていた  記者になってからは、トゲがでてきて「仲間? ...
新聞記者として

第17話【終命2日】”新聞記者”で終わらせてもらった人生

通夜に訪れた温かな人の波  大学時代から憧れた新聞記者、新卒しか採用しない時代だから、大学を留年して採用試験に再度挑戦しゲットした職業だった。  けれど…給与に見合わない労働環境だった 当時、全国紙の記者と結婚した友人...
夫の人生哲学

第16話 ほんのひと手間で幸せは作れる

一年忌前日のイライラ  あ~、ウットウしい。ここ一週間、夫の一年忌法要のことで、身内から電話がなりっぱなし。  「コロナ禍なのに法要やるの?」「親戚だけでいいんじゃない」「人数把握するため告知したら?」 →「とりあえず、やりま...
看護師のアナタへ

第15話【残り3日】夫がホスピスを選択した本当の理由

あの病院は地獄だった  ホスピス転院して2日後、奇跡的に意識が戻った。あきらめていただけに家族も看護師も驚いた。  コロナ禍で、病院は面会制限をしていたので「自宅に戻ろうね」と声をかけたた。すると、「いや、家には帰らん、俺はこ...
残り2カ月+α

第14話【残り3ヶ月】毒舌な夫の初めての謝罪

ブラックジョークと毒舌と… 新聞記者だから辛口というわけではなかった。毒舌、性格がブラックジョークそのものだった  80歳超える母親が電話をとらなければ「死んだのかな」と安否確認し、結婚報告受けたら「結婚のメリットはタ...