
第67話 慰霊の日〜義父の想いに寄せて〜
我が家の6月23日
うだるような暑さ、ぬぐっても、ぬぐっても、じっとりまとわりつく汗がうっとうしい。
6月23日がやってきた。沖縄戦の亡くなった犠牲者を追悼する「慰霊の日」。毎年、我が家は、慰霊の日に「平和...

第65話 戦友?になってしまった弟
夫と弟
1ヶ月に1回、義弟が東京から帰ってくる。夫より7つ下の弟で東京に住んでいる。
義母の様子を見るため1年ほど前から定期的に帰ってくるようになった。夫が生きている時には、心理的距離は近い関係ではなかった。
夫が...

第27話【残り2カ月】独りで子育てできるほど強くないよ
まだまだ寺内貫太郎一家
夫が逝って1年。親子三人の家族で仲よくしようと思っているのに、また息子とケンカしてしまった。
発端は兄弟げんか。ケンカをとめているうちに…息子のどちらかと私が言いあになり、大喧嘩に発展する。...

第25話【残り2日】死ぬ前に”死の準備”をしてくれたママ友
死に装束ってあるんだ!?
ホスピスで意識が戻って2日目。夫の顔をぼーと眺めていると、ママ友からのLINE電話「亡くなった時に身に付ける下着を用意しておこうか?」
「下着ってどういうこと」と聞くと、沖縄では亡くなった時に白...

第22話【残り17日】ガン終末期は「紙が石より重い」
駐車場で転んだあの日
その日、いつものように駐車場で夫を待っていた。卵が大好き我が家は、発酵飼料で育てた鶏の卵を食卓にあげて10年以上なる。 安価で健康にいい卵を買うため、2週間に1回、その養鶏場へ行くのがルーティーンのドライブと...

第21話【残り4日】ホスピスで口ずさんだのは大学時代の唄
大学の拠点は”私の店”
「♪いつも一緒にいたかった、となりで笑ってたかった。季節はまた変わるのに心だけ立ち止まったまま♪」 ホスピスに移って2日目。 意識がもうろうとし、ぐったりしている夫の手を握りながら、口ずさんだのは...

第18話【残り36日】友情はフェイクではなかった
バカにしていた友情論
「友情とかほざくのって自己満足だよ、一人ヤッテル、自慰行為だよなぁ」 夫は、大学時代から、お下品ジョークとブラックユーモアで、(多分)友人から好かれていた
記者になってからは、トゲがでてきて「仲間? ...

第14話【残り3ヶ月】毒舌な夫の初めての謝罪
ブラックジョークと毒舌と…
新聞記者だから辛口というわけではなかった。毒舌、性格がブラックジョークそのものだった
80歳超える母親が電話をとらなければ「死んだのかな」と安否確認し、結婚報告受けたら「結婚のメリットはタ...

第12話【残り9日】毎朝送られる夫を支えたLINEのオハヨウ
夫が惚れこんだ毒舌な取材相手
夫が新人記者の頃に出会った取材相手がいる。 政治や社会の裏側、汚れた部分を知り尽くし、新聞記者の考え方をこきおろし、人権を語ろうものなら何をほざいている論で切りつけ、「しょせん君らはおぼっ...

第9話【残り42日】ケンカばかりの息子からもらっていた勇気
我が家は「寺内貫太郎一家」だった
「寺内貫太郎一家」というドラマがあった。 古きよき昭和家族のドタバタ物語で、番組のなかで必ず殴り合いのケンカになる。体重100㎏巨漢の頑固おやじ(小林亜星)が息子(西城秀樹)とケンカし、障...